2014年5月29日木曜日

DIYのルーツ?



先日の2014.5.25日に一宮市せんい団地 栄公園にて開催された「粉祭3」というマーケットに私たちsun&moon -made by hand-が「タオルハンガーをつくろう」という内容のワークショップで参加させていただきました。

ワークショップは主に子ども向けのクラフト等で活動していますが、今回の粉祭3では主催者さんより「大人の男性向けで」とのお題を頂戴したので、生活雑貨の枠に収まる範囲内でありつつも、思い切って偏った内容の方が面白いんじゃないか…という方向性になり、私自身以前シルバーの彫金をしていた経験があったので、真ちゅうの棒をハンマーで叩き、バーナーで熱してタオルハンガーに加工するという、男性が好みそうで少々危険な大人向けの案にたどり着いたのです。


彫金を始めたきっかけは、10年以上前に東南アジア~中央アジアをフラフラ旅行していた時のこと。
その旅とはよくある、タイのバンコクを拠点にあちこちまわる所謂バックパッカーと呼ばれるスタイルですが、タイ周辺国を行ったり来たりした後、バンコクからネパールのカトマンズへ飛びました。

ネパールはそれまでの東南アジアとは全く違う空気でしたが、カトマンズはとても居心地が良くすぐに馴染み、しばらく滞在して毎日毎日街をウロウロしていましたが、そんなある日、たまたまシルバーアクセサリー屋に立ち寄ったのが始まりです。

そのアクセサリー屋の店内には簡素な工房があり、ついでに商品が少し置いてあるような小さなお店で、二人の職人さんが制作をしていました。

それまでアクセサリーにはそこまで関心がありませんでしたが、そのコツコツ作る様子をしばらく見ていると、ガスバーナーの代わりに魔法のランプのような物に燃料を入れ、フーッと息を吹き入れて反対側の口の先からバーナーのように炎を出して制作している姿を見て、何をしてるか分からないけどこれでこんなアクセサリーとかが作れるのか!と衝撃を受けたと同時に、とても失礼ながら日本に帰ったら使いやすそうな道具がすぐに手に入りそうだしやってみたいなと思ったのがきっかけで、その後も続く旅の間もずっと興味が消えることがなかったので、帰宅後にすぐさま必要な道具を調べて買い集めたのです。

と言っても何からやって良いのかすら分からないので、教室もチラッと見学に行きましたが、イマイチ通う気になれず、今ほどインターネットが身近ではなかったので図書館で本を借りて覚えることにしました。
徐々になんとなく作れるようになりそれを友人に買ってもらったりしているうちに、お店を紹介いただき運良く委託販売をさせていただけるようになったりと、その頃はせっせと作っていました。




今でもお気に入りのスタッズリング




しばらくすると子どもが生まれ、ガンガンと大きな音を出す金槌で叩く作業が出来なくなり、結局長くは続かず中途半端な趣味のレベルで止まってしまいましたが、あの時カトマンズのあのお店に行ってなかったらきっとシルバー細工なんてやってなかっただろうし、先日の真ちゅうを使ってタオルハンガーをつくる、という案は出てこなかっただろうな…と、その頃使っていた彫金道具を引っ張り出し、手入れをして、久し振りにカンカン金槌を打ちながら、そんな昔の経験や体験がわずかながらでも今に繋がっている充実感や、その時の何となくでもやろうと思えばどうにかなると感じたことが、今のDIY生活のルーツなのかもしれないなと、今更ながら散々遊び呆けた旅を正当化するかのようにそんなことをぼんやり思っていました。








そんな大好きなネパールの国旗には「月と太陽」のモチーフが描かれています。