2012年11月27日火曜日

波のレコード



先日リサイクルショップへ欲しいレコードを探しに行きました。
お目当てのレコードは探し始めるとすぐに見つかったので、ついでに他に何かないかと物色していると、うっすらと記憶に残っているレコードを発見。
なんだかモヤモヤしつつもその日は買わずに店を後に。

帰宅後はそれが何だったのかがずっと気にかかる…。
その夜、それが何だったのかをふと思い出す。

「あ!!」(突然の大声に家族一同びっくり。)

「あれだ! 浅井慎平のやつだ」

人を驚かせてまで騒ぐことではありませんが、カメラマンの浅井慎平、と言うより「クイズヒントでピント」の浅井慎平が1977年にリリースした「THE SURF BREAK BAND / SURF BREAK from JAMAICA」でした。



コレです



そして翌日、再度お店へ。

なぜか次女も一緒に行くと言って聞かず、連れて行くことに。
お店に開店と同時に到着し、まだ誰も居ない売り場へ足早で向かう。

確か昨日はこの辺りで見たはず。とチェック開始。
それが、なかなか見つからない。ひょっとして売れたのかな?
誰かがどこかの箱に移動させたのか…。

ちょっと焦り気味で探していると、視界に次女のモジモジする姿が入り込む。


「パパ、トイレ」


急いでトイレを済まし戻ると、その隙にさっきまで居なかったおじさんが箱を漁っているじゃないか!
明らかに違うものを探しているだろうにも関わらず、どうしても敵対視してしまい一人殺伐とした雰囲気に。

おじさんが他の箱へ移った後、捜索再開。

「無いな…、おかしいな。」「昨日は確かこの辺にあったのにな…」と私はぶつぶつ独り言を発しながら探す。

するとうるさかったのか、お父さんが「お兄さん、何か探してるの?」と
私:昨日、波の音のレコードを見つけたんですけど、見つからないんですよね。
お父さん:……。波のレコード?
私:ええ、波の音がザザーっと入っていて。
お父さん:波? ああ、そう…。…??

(この時点で、お父さんは敵ではなかったと分かりホッとする。)

お父さん:レコード好きなの?
私:ええ、好きです。
お父さん:レコード、CDより音が良いよね。
私:ですよね。

そんな会話が始まりつつ続けて捜索。

しばらくし、お父さんは全部の箱をチェックし終わり先にレジへ。

結局私も全部の箱を探すことになり、30分程するとようやく発見!
「あった! やっと見つけた!」と喜ぶ私を眺めているのは次女の膨れっ面。
偏った趣味に付き合うとどうなるかを思い知った様子だ。

そして会計をしようと立ち上がりレジへ目をやるとちょうど会計を済まし店を出ようとするお父さんと目が合う。
波のレコードを手に入れ嬉しそうな私を見て「小僧、よくやったな。」と言わんばかりに深くゆっくり二度頷き去って行く…。

いつの間にか師弟関係のようになっているシチュエーションに、なんじゃこりゃ。と思いながら店を出ると、駐車場でお父さんは車の中で買ったレコードを取り出し、眺めている。
その姿を見て、いくつになってもレコードバカのすることは同じなんだなと何だか嬉しくなりました。



A面B面寄せては返す波の音 210yenで入手



A面/波の音。
B面/波の音+浅井慎平の弾ききらないウクレレの音。

波をミュージシャンと置き換えてしまった現代アートにも通ずるコンセプチュアルな良質カルト盤。


ライナーより抜粋


2 件のコメント:

  1. もはや慎平さんがターコイズ色の宇宙人にしか見えませんが、ビバ!慎平さん&お父さん。

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    1. ターコイズ宇宙人。笑

      ライナーの内容は意識が完全に遠くの方にいっちゃってて一読の価値有り。

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